不当解雇

不当解雇(ふとうかいこ)とは、法律上・判例法理上の規定や就業規則・労働協約などの取り決めを守らずに使用者により行われた労働契約の解除行為を指します。

実情

使用者は法律等に定められた要件を満たしていれば基本的に解雇ができるとされているが、使用者自体が法律や労働慣例に詳しくなかったり(過失)、悪意(故意)を持っているなどで、必要な要件を満たさないまま不当解雇を行なうこともすくなくないです。

最近では、不況に伴いリストラの最終手段としての人員整理において不当解雇の存在が見逃せなくなっています。

尚、退職強要も法律的な解釈から見れば、労働者の意思を制圧したことの要件が加わることになるので、不当解雇の要素のひとつとなります。

不当解雇の救済手段は、法律上明文化されたものや明らかな判断がつく事項は労働基準監督署であつかうことができるが、それ以外の「合理的な理由」というものについては、個別の判断を調べなくてはならず、結局民事的な紛争として解決するしか方法がないのが現状であります。

そのようになると、解決の手段は裁判しかないので弱い立場の労働者としては納得しない解雇であっても、それに注ぐエネルギーの多さが負担になることや勝訴した場合でも被告である使用者からのケアが充分におこなわれなかったりすることなどで「泣き寝入り」となる事態が少なくないです。

解決方法としては、

解雇は専ら使用者の意思で行なわれるので、すべて使用者の裁量によるものであります。

特に解雇の中の普通解雇に関しては、解雇要件が広義になっているので、社会通念や程度なども千差万別であり、就業規則や労働協約などの取り決めも含めて、解決方法の手段も異なってきます。

労働組合が存在する会社では、労働組合を通じて交渉する手段があり、これを団体交渉といいます。

また、団体交渉が決裂した場合は、双方の主張を戦わす解決となるので裁判となります。

労働組合が存在しない場合は、専ら個人での交渉か弁護士・社会保険労務士などの代理人を通じて行なうこととなります。

また、厚生労働省労働局や地方自治体の労働委員会による個別労働紛争の調整など、行政の介入による解決も行われ、成果を挙げています。

労働審判法

2006年より労働審判法が施行されます。

内容としては現在の厚生労働省都道府県労働局長による個別紛争解決が司法の場に用いられ、その決定は強制力を持ちます。

形式としては刑事裁判の形式裁判に類似しています。

決定に不服な場合は正式裁判に移行します。










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整理解雇

整理解雇(せいりかいこ)とは、解雇の種類の中の「普通解雇」に属するもので、法律上の用語ではなく、裁判での判例により浮上してきた労働慣例での用語であります。

事業を継続することが困難な場合に行なう人員整理としての使用者からの労働契約(雇用契約)の解除のことを指します。

整理解雇の意義について

労働慣習で狭義の意味での「整理解雇」の目的は、事業の継続が思わしくないことを理由に再建策(リストラ)を行なわれなければならないのであるが、その中の人員整理について行なうことで、事業の維持継続を図ることであります。

この用語や定義ができたのは、過去の裁判の判例や実績から、最高裁判所が下した「整理解雇の四要件」によるものであります。

法律や規則の用語ではないのであるが、その後の実務に大きな影響を及ぼし、使用者が仮に事業が思わしくないだけの理由で解雇をしてしまうと、この判例により不当解雇が成立することになります。

これにより労働基準法の平成15年改正で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合その権利を濫用したものとして、無効とする」という法18条の2が追加され、解雇の無効について定義することにもなりました。

整理解雇の四要件

整理解雇の四要件(せいりかいこのよんようけん)は次の通りであります。

整理解雇はこの要件にすべて適合しないと無効(不当解雇)とされる。

1、人員整理の必要性  余剰人員の整理解雇を行うには、削減をしなければ経営を維持できないという程度の必要性が認められなければならない。

人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとする。

2、解雇回避努力義務の履行  期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることを要求される。

例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力がなされ、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。

3、被解雇者選定の合理性  解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公平でなければならない。

4、手続の妥当性  整理解雇については、手続の妥当性が非常に重視されている。

例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多いです。

整理解雇の四要件は法学上、(判例法主義を取らない日本において)判例法として法源性を有するものとしても注目されます。

一方、近年の下級審では以上の4つすべてを満たさなければ無効とされる「要件」ではなく、何かが欠けても4つを総合考慮した結果、相当と認められる場合は有効とする「要素」と捉える判例も出てきており、今後の展開に注目が集まります。

実施に当たっての注意事項

整理解雇の四要件は整理解雇を行なうことについての必須要件でありそれを満たせば可能ではあるが、近年の解雇について就業規則に明記することが定められたことにより、整理解雇も就業規則に明記が無ければ、無効となります。

事業廃止による全員解雇につて

三陸ハーネス事件(仙台地決・平成17年12月15日・労働経済判例速報1924号14頁)で示された判断によると、事業廃止により全従業員を解雇する場合には、上記の四事項を基礎として解雇の有効性を判断するのではなく;

1、使用者がその事業を廃止することが合理的でやむを得ない措置であったか

使用者が倒産あるいは倒産の危機にある場合に比べて、単なる経営戦略上の事業廃止は必要性が低いと判断される。

2、労働組合又は労働者に対して解雇の必要性・合理性について納得を得るための説明等を行う努力を果たしたか

解雇に当たって労働者に再就職等の準備を行うだけの時間的余裕を与えたか

予想される労働者の収入減に対し経済的な手当を行うなどその生活維持に対して配慮する措置をとったか

他社への就職を希望する労働者に対しその就職活動を援助する措置をとったか

等の諸点に照らして解雇の手続が妥当であったといえない場合には、当該解雇は解雇権の濫用として無効であるとされます。








タグ:整理解雇
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普通解雇の事例

普通解雇の事例

病気が1年以上続き回復の見込みが無い場合。

怪我をして2年も長引き業務に支障がある場合。

技術課長として採用したが、その技術が著しく低い場合。

というような直接的な例が多いです。

また間接的には、懲戒解雇から諭旨解雇(普通解雇と同じ扱いとなる)という扱いで普通解雇をすることが多いです。  

尚最近の解雇の法律上の制限や判例から、仕事の能力や協調性が無いということで普通解雇を認められる例は非常にすくないので、普通解雇が安易にできないものとなっています。


特殊な普通解雇

次の種類も法律上「普通解雇」となるが、過去の裁判例や労働慣習から、区別されています。

整理解雇;解雇(普通解雇)にまだ詳細なルールが出来上がっていなかった時代に判例により決められた「解雇」ルール。その後、これを受けて「解雇」に関して法律上の補強がなされたことにより、就業規則も「整理解雇」を行なう解雇事由が無ければ無効とされます。

諭旨解雇;本来は懲戒解雇に処するものであっても、該当労働者が真に認めるなど、情状酌量がある場合に用いられます。

しかし、普通解雇は「使用者の起因」という要素があり、自ら退職をするより、解雇予告手当、退職金、雇用保険(失業給付)など手厚い保護を受けることが通常となることから、あまり意味をなさないので、諭旨退職をすることがあります。
タグ:普通解雇
posted by ランクル at 21:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 解雇

普通解雇

普通解雇(ふつうかいこ)とは、解雇における狭義の名称をさし、懲戒解雇・整理解雇と区別するために使う言葉であります。

一般に「解雇」は「普通解雇」の事を指します。

普通解雇の特徴と問題点について

普通解雇は、懲戒解雇が懲罰的な意味での労働契約解除、整理解雇が人員整理を目的としたものであり、解雇の意味がはっきりしているが、普通解雇は信頼関係が破談したことによる労働契約の解除という意味で行なわれます。

そのため、他の解雇は就業規則や整理解雇の四要件で解雇事由を明確にすることができるが、普通解雇は使用者の主観で行なわれることもすくなくないので、しばしば不当解雇について争いがあります。



タグ:普通解雇
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懲戒解雇

懲戒解雇(ちょうかいかいこ)とは、事業主が労働者の責めに帰す理由で解雇することを指します。

重責解雇とも言われます。

例えば、長期の無断欠勤、会社の金品の横領、職務・会計上での不正、重大な過失による業務の妨害、重大な犯罪行為などを理由に解雇する場合のことであります。

ちなみに、公務員の世界では、これに相当する懲戒処分は、『懲戒免職』(ちょうかいめんしょく)と呼ばれています。

懲戒解雇に服することについては、労働者が懲戒解雇に関する定めにあらかじめ合意しているものでなければならない。

懲戒解雇の場合、通常、退職金は支給されません。

また、労働基準法で定められる30日前の解雇予告や解雇予告手当の支給はされず、即時解雇となります。

即時解雇については、労働基準監督署長の認定が必要とされます。

また、今後の再就職も通常の解雇と比べて非常に困難となります。
タグ:懲戒解雇
posted by ランクル at 21:27 | Comment(0) | TrackBack(2) | 解雇

解雇の予告

解雇の予告について

使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならないです。

30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないです(労働基準法20条)。

予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合は短縮できます。

予告手当を支払わず、労働者を即時解雇できるのは、次の事由により労働基準監督署長の認定を受けた場合であります。

天災事変その他やむを得ない事由。

労働者の責に帰すべき事由(一般的には「懲戒解雇」事由に属するものに相当し、「普通解雇」には属さない。)

以下の労働者には適用されない(第21条)ただし以下の適用除外は解雇予告義務違反による刑事責任を免除されるだけである、民事上の責任(民法627条、628 条)をも免除されるわけではないです。(日雇いは除く)

1ヶ月未満の日々雇い入れられる者。(民事上の予告義務もない)

2ヶ月以内の期間を定め使用されるものでその期間を超えない者。(民法628条による中途解約の民事責任は残る)

季節業務に4ヶ月以内の期間を定め使用されるものでその期間を超えない者。(同上、民法628条)

14日以内の試用期間中の者。(ただしこの場合は労働基準法20条の解雇予告期間は免除されるが民法第627条の規定は生きているため、期間の定めのない雇用契約であれば民事上、使用者は2週間前に予告をしなければならない)

解雇予告手当について

労働基準法第20条による支払いを解雇予告手当といいます。

ここで言う「平均賃金」とは解雇予告日から遡って3か月分の平均賃金を指します。

また「平均賃金」の内訳は基本手当、住宅手当、家族手当、資格手当、地域手当、技術手当、食事手当、年4回以上支給される賞与などを含めたうえでの平均で、年3回未満の賞与や残業手当、通勤手当は含まないです。

また、家賃補助を受けている場合、実際の家賃とその1/3の金額の方が労働者が実際に支払っている金額より大きい場合は、その差額を平均賃金の計算に含めます。

尚、「解雇予告手当」は税制上では「退職所得」となるため、退職金が存在する場合は、それと合算して退職所得とする。


年次有給休暇との関係について

解雇予告が行われると、最短で30日後に解雇となるため、30日を越える年次有給休暇を保持している場合は、解雇期日まで取得が可能となり、それ以降の分は法定最低付与分である場合は無効となり、法定以上の付与の分は買取が可能となります。

ただし、解雇予告手当てが支払われる場合は、解雇期日を短縮されるため、年次有給休暇は無効となる日数が増えます。

解雇は退職と違い労働者の予期せぬことなのでよく、トラブルとなり法律での保護など、議論を呼んでいる。


解雇の種類(法律上)について

解雇という呼び名は単に普通解雇を指す場合と解雇全般を指す場合もあるが 解雇の種類は次の3つに分類される。

懲戒解雇;著しく重大な違反(例:犯罪行為、着服・横領、経歴詐称、業務の妨害等)をした場合に行なわれる懲罰として行なわれる解雇

解雇事由は就業規則に列記されたものでなければならないです。

普通解雇;単に解雇と呼ぶ場合もあり、就業規則による解雇事由をもって行なわれる契約解除(解雇)。

整理解雇;普通解雇に属するものではあるが、過去の裁判の判例により現れてきた慣例であり、倒産などの回避を目的とするための人員整理として行なわれる解雇

尚、整理解雇の実施には裁判の判例で慣例となった「整理解雇の四要件」によらなければならない。

解雇の種類(法律規定外の慣習)

また懲戒解雇の緩やかな制裁として法律上の用語ではない諭旨解雇(ゆしかいこ)が存在します。

これは懲戒解雇に相当するが、本人が懲戒事実に関して深く反省しているのでこれを承諾するという意味であり、その上で使用者側の懲戒解雇を実施するに当たってのデメリットや労働者側の不利益の被り方を低くする処置として行なう解雇であります。

しかし解雇が(自己都合)退職よりも経済的な面での処遇がよくなることが多く制裁の意味をなさないため、諭旨解雇ではなく本人が自発的に行なう諭旨退職にすることが多い。

タグ:解雇
posted by ランクル at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 解雇

解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効です

解雇(かいこ)とは、事業または事業所に使用され、賃金を支払われる労働者が、労働契約(雇用契約)を解除されることをいいます。

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効とされます(労働基準法第18条の2)。

労働契約が満了した時や、自ら退職を申し出た時は解雇に該当しないです。

解雇」の語は民間の事業所または事業者の被雇用者が失職させられることに用い、公務員が職を解かれることは解雇ではなく、「免職」といいます。

解雇を頭部・頚部を切断されて死亡することに喩えて、「馘首(かくしゅ)(する・される)」と言い、俗にはより平易に「首(を切る・切られる、にする・になる、が飛ぶ)」と言い、「クビ」または「くび」と仮名書きにされることも多いです。

解雇の制限について

民法において規定されている雇用契約(労働契約)は当事者の交渉力や社会的地位が同等であることを前提としており、期間の定めの無い雇用契約(これは一般的な雇用契約の形である)は当事者のどちらからでも一方的に解約を申し入れることができます。

しかし現代社会においては使用者の方が労働者よりも強い立場にあるのが通常であるから、労働基準法などの労働法や判例法理によって全面的に修正されています。

まず、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります。

さらに、使用者は次の期間においては労働者を解雇してはならない。

ただし、業務上の傷病により使用者から補償を受ける労働者が、療養を開始して3年を経過してもその傷病が治らない場合、平均賃金の1200日分の打切補償(労働基準法第81条)を支払えば解雇は出来きます。

天災事変その他やむを得ない理由がある場合には、次の期間においても労働基準監督署長の認可を得た上で解雇することができます。

労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、療養のため休業する期間及びその後の30日間

産前産後の女性が規定により休業する期間およびその後30日間

さらに使用者は、労働者が労働基準法違反の事実を労働基準監督署に申告した場合(労働基準法)、労働組合として正当な行為を行なった場合(労働組合法)、はそれを理由に解雇してはならないです。

また、使用者ごとに定める就業規則(労働基準法89条以下)には解雇の原因となる行為、すなわち普通解雇事由が定められているのが普通であります。

通常、これに違反すれば解雇されることになります。

しかし裁判所は、たとえ労働者に就業規則違反などの落ち度があった場合であっても具体的な事情から考えて「解雇権の濫用」であるといえるならばその解雇は無効であるとして、使用者による解雇権の行使を制限してきました。

これが解雇権濫用の法理と呼ばれるものである。つまり、紛争になっている解雇について具体的事情にてらして考えると、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができないという場合には解雇権の濫用として解雇の意思表示は無効になります。

この法理は、その後の改正によって労働基準法18条の2に明記されることとなった。就業規則には解雇の事由を列挙しなければならないが、就業規則には「その他前各号に準ずるやむを得ない事情があったとき」というような規定が設けられていることが多く、解雇制限としては不十分だからであります。



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posted by ランクル at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 解雇

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